収穫初期の若いえんどうを早採りし、さやごと食べるものは、すべて「さやえんどう」と呼びます。つまり、絹さやとスナップエンドウは、どちらも「さやえんどう」なんです。
肉厚でさやと実の両方を食べられるのが「スナップえんどう」です。ほかにも、「おおさやえんどう」や「砂糖ざや」などの種類があります。「スナックエンドウ」の別名でも知られています。両方の美味しいとこどり的に莢も実も柔らかく食べれるのがお得感満載の「スナップエンドウ」です。
莢を食べる→「サヤエンドウ」
実を食べる→「実エンドウ(グリーンピース)」
莢も実も食べる→「スナップエンドウ」
ちなみに...幼苗を食べる→「豆苗」
【スナップえんどう食べ方と栄養】
抗酸化作用のあるβカロテンや、カルシウムなどを多く含み、
健康効果も抜群の存在です。
ゆでるのが一般的ですが、シンプルに焼くだけでも◎
茹でてマヨネーズで食べるサラダに良く合い、ほっくりプリッとした食感がたまりません。
【エンドウ豆は身近】
えんどうの若い実を「グリーンピース」、熟した実を「えんどう豆」と呼びます。グリーンピースは、しゅうまいの彩りに使われたり、豆ごはんにしたりと普段の料理でよく使われます。実は、えんどう豆はお菓子に使用されることも多く、えんどう豆の中でも「赤えんどう 豆」という種類は、みつ豆や豆大福に使われている“あの豆”の正体なんです。
【引っ張りだこエンドウ豆】
「えんどう」という植物は、成長の過程で、それぞれ違った楽しみ方ができるのが特徴です。成長初期の若いえんどうは「さやえんどう」として食べることができ、若い豆(実)は、さやから出して「グリーンピース」に、そして完熟した実は「えんどう豆」として収穫し、乾燥させれば長期保存できます。
現在、さやえんどう、グリーンピース、えんどう豆、それぞれの食べ方に適したさまざまな品種が栽培されるようになっています。それにともなって呼び名も複数になったため、違いがわかりにくくなっているかもしれません。
なお、節約食材として人気の「豆苗」は、えんどうの若い芽&つるなんです。
【エンドウ豆の起源】
『エンドウ』はマメ科の一年草です。
原種はメソポタミアの栄えた近東地方が起源だと一説では言われています。その後、地中海地方へ渡り、麦作の混植として利用され栽培が盛んに行われたようです。
マメ科ですから根につく根粒菌の働きで痩せた土地でも麦がよく育ち、そのため広く利用され品種も改良されたのでしょう。
【育て方】
初夏の味覚であるスナップエンドウ。スナップエンドウの品種には、
大きく分けて「つるあり」と「つるなし」の2種類が存在します。
これらの違いはその草丈にあり、
「つるあり」種は最終的に200cmほど、
「つるなし」種では50~100cmほどに成長します。
土
スナップエンドウは酸性土壌を嫌うため、
露地栽培で育てる場合には、忘れずに酸度調整を行いましょう。
植え付けの2週間前までには畑に苦土石灰を施し、1週間前までに元肥を混ぜ込むようにします。スナップエンドウをコンテナで栽培するときは、プランターには幅が60cm程度のものを使用します。
スナップエンドウは株間を30cmほど取って育てるため、
栽培したい株数に合わせてプランターを選ぶとよいでしょう。
また、用土には野菜用培養土を利用する方法が手軽でおすすめです。
このとき、用土には適量の元肥を混ぜ込むようにしてください。
肥料追肥
気温が上がってきたら追肥を行います。
露地栽培では株元に化成肥料を施し、同時に土寄せもしておきましょう。
プランター栽培の場合では、このころから週に1回、水やり代わりに希釈した液体肥料を与えるやり方が簡単です。
支柱
春になってスナップエンドウのつるが伸びてきたら、
それを支える支柱を立てる必要があります。
「つるあり」種では2mほどの支柱を立ててネットを張り、
「つるなし」種では1mほどの支柱を立てて、つるを絡ませましょう。
スナップエンドウのつるを伸ばしっぱなしにしていると、実つきが悪くなったり、
味が落ちたりします。
摘心整枝
おいしい実を多く収穫するためには、摘心と整枝を行いましょう。
根元から伸びる親づる(主枝)と、
親づるから伸びる子づるは実つきがよいので残し、
子づるから分かれた孫づるは早めに摘心していきましょう。
こうすることで、栄養を分散させずに収穫を迎えることが可能になります。
さらに、3月下旬以降に伸びたつるや、花つきの悪いつるも取り除いて整枝するようにしてください。同時に、日照不足が起こらないよう、それぞれのつるの伸びる方向を変え、誘引していくことも大切です。
収穫
スナップエンドウの開花から25日ほど経ち、莢が膨らむころになったら
収穫の適期です。
タイミングを逃さないよう莢の様子をよく観察し、随時収穫を行うようにしてください。
収穫したスナップエンドウは、炒め物やサラダに利用することが可能です。
摘心と整枝をしっかりと行い、おいしいスナップエンドウを堪能してくださいね。
【おまけに】
関西ではえんどう豆=うすい豆
豆ご飯として食卓の彩を飾るえんどう豆ですが、関西地域ではえんどう豆のことを総じてうすい豆と呼ばれることがあるそう。しかし、うすい豆は和歌山県特産であるえんどう豆の一品種です。関西で食べられている豆はうすい豆なのですが、うすい豆は上品な甘さがあるため、関西の方がえんどう豆で炊いたご飯を食べると味の違いに驚く場合が多いのだとか。